Prayers Studio について

「真実の演技」とは、唯のエンターテイメントではありません。

嘘の無い、魂のレベルで行う最も深く直截なコミュニケーションです。

演じることを通して、生活の中で抑圧してきた感情に向き合い開放し「相手の心と本当に繋がる」とはどういうことなのかを知ることです。

まずは演じる俳優自身が幸せになること。

次にはその演技に触れた観客が、世界中の人達が、感情の扉を開き、それぞれの個人的な抑圧を浄化(カタルシス)し、活き活きとした心で、互いを思いやり、愛と光に満ちた世界に暮らせるようになること。

潜在意識を開き、創造の力を高めるとはそういう仕事だと、敬愛するコンスタンチン・スタニスラフスキーと、私の直接の師であるレオニ-ド・アニシモフの仕事から学びました。

私達Prayers studioが主催するEdgeprojectのシリーズで、皆さんがワクワクするような沢山の気付きと素敵な出会いに満ちた時間を送られたなら、私達にとってこれ以上の喜びはありません。  

「いい演技」 って、具体的には何の事?

Prayers studioでは

虚構を真実に変える能力

のことを 「いい演技」 と言います。

普通の役者は、お芝居をお芝居として、役を役として演じる。
天才的な役者は戯曲をドキュメンタリーに、役をその瞬間その場所に実在する生きた人物にしてしまう。

当会 では、コンスタンチン・スタニスラフスキーの教えたシステム(「行動」の原因と結果、その根底を流れる自然の法則に関する研究)を基に、サンフォード・マイズナーや、リ・ーストラスバーグ、マイケル・チェーホフ、F.M.アレクサンダー、ヴァイオラ・スポーリン、などの考案した幾つかのメソッドや考え方に学びながら、虚構を真実に変えする為の具体的な訓練を行います。

「真実の感情」 って、具体的には何の事?

古代ギリシャにおいて演劇は「人間の心の病を治療する手段」でした 。
それは、俳優が「真実の感情」を扱うことが出来る場合にのみ可能です 。

その為に、訓練すれば必ず身につけられる具体的な方法があります 。

今から100年前ロシアのコンスタンチン・スタニスラフスキーという情熱的な人が、その方法を発表して以来、世界中の多くの天才的な演技教師によって研究、発展させられてきました 。
リアルな感情表現がしたいので有れば、俳優はその、明確な方法をトレーニングし、この技術を体得する必要があります 。
また、「自分だけの本物の感情を表現すること」は俳優自身にとってもこの上なく幸福な体験です 。
何より、自分が抑圧してきた感情を解放することは自身の心の塊をほどき、癒してくれます
トレーニングの過程で自身の抑圧してきた感情や、感情表現の癖に気付いてゆく事は、日常生活でも自身をよりのびのび、活き活きさせる方法に気付く事でもあります 。
日本では年間3万人を超える自殺者が出ています 。
演劇は単なる遊びではなく、人の心の奥に抑圧され、心のバランスを崩して行く巨大な感情を開放するという能力があるのです。
今こそ、失われた演劇の役割を回復する「真実の感情を表現する俳優たち」が必要とされているのではないでしょうか 。


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そもそも、芸術分野に存する文学作品にせよ戯曲にせよ、作者は人間世界を見渡して、人々の営みの中の喜びや苦しみを描いているのだとしたら、それ自体が人類や世界に対する「愛」であり、また「祈り」と等しい行為なのではないかと思うのです。

だとしたら当然そういう戯曲を作品化した公演も「祈り」でなければ筋を違える事になるってしまうのだし、当然その文脈の中での俳優の演技も「祈り」という行為そのものなのだと思います。

そして「祈り」とは、いかなる場合も実体の無い「なんとないもの」ではなく、完全に具体的で明確な「行為」なのだと思います。

コンスタンチン・スタニスラフスキーは
舞台上に 「人間の心の生活」 を描き出すと言いました。

人間の心の生活。
余分なものは何も無く、静謐な考えと深い感情で心が感応しあっている美しい状態。
この状態は観客の心を癒し、世界を浄化する力をもちます。
演劇という行為が「祈り」にまで高められる瞬間です。